こあらいふ

わたしの日常

忘れられない人

あれは私が中学3年生のとき

Kくんと私は良い感じだった。

友人には「まだ付き合ってないの?付き合ってると思ってた」と言われたこともある。

私は告白なんてしたことないし、その時は別れて気まずい関係になるくらいならこのままでいいと思っていた。

Kくんは明るくて誰にでも優しくて女子にモテた。

そしてそんなKくんの側にいつもいる私はその子たちからしたら間違いなく邪魔な存在だった。

知らない女の子や男の子に「ゆめこあら先輩ってK先輩と付き合ってるんですか?」と聞かれることが何度かあった。

お前らに関係ないだろ。てかまず名を名乗れよ、覚えないけど。と言いたいところを堪えて曖昧な返事をしてその場を立ち去っていた。

 

ある日、同級生の女子のグループに「ね~ゆめこあらちゃんって~Kと付き合ってるの~?」と聞かれた。こういう時はたいてい一人でいるときにやって来る。向こうは複数で来るくせに。

あぁまたかと思いながら「んーどうかな?Kくんに聞いてみて」と返した。

するとすぐにKくんの元にぞろぞろと行き、「ね~K~❤ゆめこあらちゃんにKと付き合ってるの?って聞いたらKに聞いてって言われたんだけど~付き合ってないよね~?❤」と、あれ?さっきと声違くない?どっから声出してんの?って感じで聞いている。きも

するとKくんは「ハハハッ、付き合ってるか?んー?」

「ね~❤どっち~?ごまかさないで~❤」

「えーでもお前らに関係なくない?笑」

「ひ~ど~い~」

てな感じであしらわれてた。いい加減気付けよ、相手にされてないこと。

Kくんは否定も肯定もしなかった。でも付き合ってないときっぱり言われたらどうしようと思ってたから嬉しかった。

その辺の中学生なら「バカッ、おめっ、付き合ってねーよ///誰があんなブスと付き合うかよ///」と恥ずかしさのあまりデリカシーのないことを言っているであろうところを冷静に対処する。相手の気持ちを気遣えるのがKくんなのだ。だからモテる。みんなで出かけたときも妹の誕生日プレゼントを買う。なんとも思ってない後輩にも挨拶されたら笑顔で手を振り返す。それがKくん。

 

結局私たちは付き合わないままだった。

高校はお互い違うところに行くことになった。

毎日LINEをしていたけどそれももう終わり。

これからはお互い別の道に進んで、知らない人に会って違う時を過ごす、そう考えたらものすごく悲しくなった。

私は勇気を出してLINEで「やっぱKくん、好きだな~笑」と話の流れに任せて送ってみた。LINEで告白する人をないわーとバカにしてたけど、これが精一杯だった。送信ボタンを押すのにあんなに時間がかかったことはない。

30分くらいで返信が来た。

 

「どうしたの突然?俺もゆめこあら好きだよ笑」

 

私はそれは友達としての好きだと受け取った。あぁ、やっぱりかと「これからもよろしく。ずっと友達でいてね笑」と送った。likeじゃなくてloveの方だと訂正する勇気はもうどこにも残ってなかった。友達でもたまに会って話せればそれでいいとするほかなかった。

「当たり前じゃん!こちらこそよろしく笑」

 

そして高校生になり、SNSでKくんに彼女ができたことを知った。

理由がないと会えない関係になってしまったのだと気づいたときにはもう遅かった。

 

いつも好きになった人とは付き合えない。

高校で付き合った人はモラハラで、浮気されて、ストーカーになった。

恋愛って難しい。