久しぶりに幼なじみ3人で楽しく飲んでいて、大分酔いが回った頃に地元の友達を呼ぶことになった
私は全然3人で良かったのだけど、まぁ呼びたいなら呼んだらいいよというスタンスだった
1人来ると思っていたらその人が一緒に飲んでいたという他の2人も連れてきて6人で飲むことになった
その連れてきた2人というのは、1人は元カレで、もう1人は嫌いな女だ
突然の登場に私はどうすることもできなく、すっかり酔いも覚めてしまった
元カレと言っても、中学生のときに1年だけたまに一緒に帰って、一度だけ手を繋いだ程度だ
告白されてOKしたけど、訳の分からない理由で振られた
告白をOKした理由は「幼稚園のときから好きだ」と言われたから
いや、正確には叫ばれた
教室の後ろで「好きだー幼稚園のときから好きだー」と
後から聞いた話だと、その時期カップルが次々と別れていて、周りからお前も別れろと言われて別れを切り出したらしい
そんなクソみたいな理由で私は振られた訳だ
今思えば中学生が恋愛より友人関係を優先するのは仕方ないと思うけど、当時は本当にショックだった
そんな出来事も年月とともに思い出になるものだけど、友人を介して「まだ好きだって言ってたよ」とか「申し訳ないことをしたって言ってたよ」ということを何度か聞いた
そんな話を聞くたびに私は腹が立った
私の仲の良い友達に言えば私に伝わると思っているのだろう
直接言ってこない割にしつこい
もう昔の話だというのに、それは高校生になっても大学生になっても続いた
今は彼女と同棲していると聞いた
浮気もしたらしい
そして、今回ものこのことやってきた
ヘラヘラと喋っている
キモいトークで盛り上がっている
私は話には混ざらず、端っこの方で真顔でスマホをいじっていた
綺麗な思い出のままにしておきたいのだ
私は地元の男友達を男として見たことがない
誰に告白されても嬉しくなかった
好きだと言われても全くピンとこない
好きってなに?というレベルだ
私もみんなのことが好きだし大切に思っている
でもそれはあくまでLikeであり、消してLoveではないのだ
何人かと付き合ったけど、好きでもないのに付き合うのは相手を傷つけるだけだと学んでからはお断りするようにした
そんな人たちが下ネタで盛り上がってるのが耐えられなかった
違う、私の知ってる人たちじゃない、と受け入れることができなかった
そんなときに彼が同棲してるという話題になった
「ラブラブだよな」と言われたのに対し「どこがだよ、全然うまくいってねーよ」とうまくいってないアピールをしてきたことに腹が立った
今まで女2人と男2人のグループで飲んでて、のこのこと私たちの飲み会にやって来て、彼女とうまくいってないアピールをしてやがる
彼女の自慢しろよ!ノロケ話しろよ!そしたら一途なんだな、幸せなんだなって素直におめでとうと言えるのに
どいつもこいつもヤることしか考えていない
猿みたいだ
嫌いな女が同じ空間にいるだけでも腹が立つというのに、ワンチャン狙ってる感じがひしひしと伝わってきて軽蔑と苛立ちが私の中で入り交じっていた
すぐにでもその場から逃げ出したかった
しかし雰囲気が悪くなるのも嫌だと思いしばらくその場に居座っていた
止まらない下ネタ
私は一度も目が合わないことにも苛立っていた
彼が私と同じ生搾りキウイサワーを注文した瞬間には、一万円札を置いて立ち上がっていた
ちなみに私は一万円分も飲み食いしていない
実際はお酒一杯とバニラアイスを食べただけだから千円にも満たない額だ
しかし、あの場で千円を置いて帰るのは私のプライドが許さなかったのだ
ずっとその場にいたら何かしてしまう気がした
例えば、酒をぶっかけて「何のこのこ来てんだよ、帰れ!」とかね
酔いが覚めたと言っても、私の体にはお酒が6杯入っていた
何かをしでかすには十分だ
私がお金を置いて立ち上がった瞬間、シーンとしていた
空気なんて知るか
酒をぶっかけられるよりマシだろう?
友人が「○○くん、追いかけたら?」と言う声が聞こえた
私は駅まで走った
お酒なんて飲んでないくらいに走れた
もうやめてくれ、一生私の前に姿を見せないでくれ
彼は追いかけて来なかった
もし来ていたら殴っていたかもしれない
いや、無理だな
私はきっと愛想笑いをする「どうしたの?」って
嫌われたくないんだ
自分勝手だよね、でも嫌われなくはない
私が高校生のとき、ヤバい男と付き合っていたことを彼は友達から聞いたらしい
そして全く関係ないのに「同じ男として申し訳ない、本当情けないわ」と謝られたことがある
「○○くんが謝る理由はないよ笑」と言ったが、内心嬉しかった
でもその優しさも嘘とまではいかなくとも、ワンチャンという気持ちからの発言だったのだろう
私の綺麗な思い出を汚さないで欲しい
思い出の中のあなたは、一途ですごく純粋だった
目が合うとすぐに逸らすような、手が触れたら謝ってくるような人だった
変わるのはわかる
でもあまりにも違いすぎて受け入れられない
これ以上軽蔑したくなかったんだ
勝手だけど、一途なあなたのままにしておきたいんだ
ごめんね