こあらいふ

わたしの日常

お試しの夏期講習で一人だけ満点を取った話

これは中学3年生のとき、お試しで通った10日間の夏期講習の話。

 

それまで塾とか行ったことなかったけど、

 

友達に「一人で行くの嫌だから一緒にいこ~」って言われて

 

塾ではどんなことをするのか気になったから、親に言って友人が通う塾の夏期講習に行かせてもらうことになった。

 

夏期講習が良かったら正式に通い始めるってことで、お試し的な。

 

S,A,Bの三つのクラスがあって私はそんなに優秀なわけではなかったけどSクラスになった。ちなみに友人はAクラス。

 

Bクラスが一番多くて20人くらい、Aクラスは10人くらい、Sクラスは4人だったけどあんまり来ない人が一人いて、実質3人での講習だった。夏期講習の不登校って何?笑

 

その塾には友人以外知り合いはいなく、全員初対面だった。

 

とりあえず同じクラスの人たちと初めましての挨拶をした。

 

A君とは同じ高校を目指していることがわかった。

 

B君は私たちより偏差値の高い高校を目指していると言った。

多分この塾の中で一番偏差値の高い志望校だろう。

 

塾での講義は私が期待するようなものではなく普通だったけど、友人と通うのは楽しかった。

 

講義の始めに毎回どのクラスも共通のテストをしてたんだけど、

 

「9日目は8日目にしたものと同じものをするからみんな満点取ってね。満点の人にはご褒美があります。」

 

と言われた。夏期講習は10日間だけどテストは9日目が最終日だ。

 

私はとっても素直だからちゃんと勉強をして、いや、勉強というより8日目にしたテストを暗記をして最後のテストに向かった。楽な話だ。一度したテストを覚えるだけでいいんだから。

 

そして10日目の最終日に前日にしたテストが返されるわけだが、

「満点を取った人は1人しかいませんでした」

 

私はきちんと暗記をしたつもりだったけど、自分がその一人になっている自信はなかった。

 

満点を取ったのは誰かなーなんて呑気に自分の名前を呼ばれるのを待っていると、

「ゆめこあらさん、満点でした。おめでとう。はい、次、~さん」

え、塩対応過ぎない?笑 もう少し大きい声で満点を褒め称えろよ笑

 

そして満点の人にはご褒美が~とか言ってたのに、結局二番目のB君に何かあげてた。二番ということをあまり言わないようにして。どうでもいいけど98点って一番いやだよね。あと一問だったのに~ってなる。

 

別に私はご褒美が欲しかったわけじゃないよ。でも仮にも教育者でしょ?一度言ったことを簡単に取り消して二番目の人を一番のように扱ってるのを見て、気持ち悪いなって思った。

 

でも考えてみたらそりゃそうだよね、だって私夏期講習に行ってるだけでこの塾に通ってないもん。

 

自分の教えてる生徒たちが誰一人満点取れなくて、10日間だけお試しのやつに満点取られたら面白くないよね。わかる~お気持ちお察しします。

 

その日の友人との帰り道、

 

「結局満点取ったの誰だったんだろうね~先生言ってなかったよね?」

 

「あーそれね、私だよ」

 

「えっ!!そうなの?えっ、でもご褒美B君がもらってたよね?」

 

「私正式に入ってないからじゃない?大人の事情でしょ笑」

 

「まじかーで、塾入るの?」

 

「んーいいかな」

 

もちろん入るわけないよね。必要性を1mmも感じられなかった。

優越感はものすごくあったけどね笑

 

 

そして私は無事に志望校に合格した。

 

入学式の帰り、A君を見かけた。

 

目が合ったけど話しかけるまでではないしなーと考えていると、

 

母が

 

「あら、どうもーお久しぶりです」

 

と誰かに話しかけた。

 

顔を上げるとなんと、A君の父親!!

 

なになにどういうこと!なんか世間話してるけど!え、知り合いだったの!

なんて心の中で騒ぎながら私とA君は黙ってその場を見守る。

 

「はい、ではまた~」

 

「…知り合い?」

 

「うん、地元の同級生。いやーびっくりした、息子さん同じ高校なんだね」

 

いやいやこっちもびっくりしたわ、まさか知り合いだったとは!

 

ってゆー偶然もあるんだなって話でした。